骨伝導集音器とは?耳をふさがないタイプの仕組みと特徴をやさしく解説

骨伝導集音器とは?

「耳をふさがないタイプの集音器があると聞いたけれど、どういうもの?」

骨伝導という言葉は耳にしても、集音器としてどんな特徴があるのかは、意外と知られていません。

この記事では、骨伝導集音器とは何か、その仕組み・メリット・デメリット、そして混同されやすい「軟骨伝導」との違いまで、初心者の方に向けてやさしく整理しました。検討するときの参考にしてください。

骨伝導集音器とは?

骨伝導集音器とは?

骨伝導集音器とは、マイクで拾った音を振動に変え、こめかみ付近などに当てた振動部から骨を通して音を伝えるタイプの音響機器です。

一般的な集音器がイヤホンで耳に音を届けるのに対し、骨伝導タイプは耳あなをふさぎにくい形状のものが多いのが特徴です。ただし、装着方法や使用感は製品によって異なります。

そもそも集音器とは、周囲の音を大きくして聞き取りをサポートする音響機器です。

集音器全体の種類や基本については、別記事「集音器とは?仕組み・種類・補聴器との違いをやさしく解説」で整理していますので、あわせてご覧ください。

なお、骨伝導集音器は医療機器ではありません。医療機器である補聴器とは目的も位置づけも異なります。この違いについては「集音器と補聴器の違い」の記事で詳しく解説しています。

骨伝導集音器の仕組み

骨伝導集音器の仕組みは、3つのステップで考えるとわかりやすいです。

  1. マイクで周囲の音を拾う
  2. 拾った音を振動に変える
  3. こめかみ付近の骨から振動を伝える

一般的な集音器が「音をイヤホンから耳に届ける」のに対し、骨伝導タイプは「振動を骨から伝える」点が違います。難しい技術の話はここでは省きますが、まずはこの流れを押さえておけば十分です。

骨伝導集音器のメリット

骨伝導集音器には、次のような特徴があります。いずれも感じ方には個人差があります。

  • 耳あなをふさぎにくいため、周囲の音を遮りにくい場合があります。
  • 耳あなをふさがないため、蒸れや圧迫感が気になりにくいと感じる人もいます。
  • メガネやマスクと併用しやすいと感じる場合がある一方、形状によっては耳まわりで干渉することもあります

「耳をふさがれる感じが苦手」という方にとって、選択肢のひとつになりやすいタイプといえます。

骨伝導集音器のデメリット・注意点

一方で、購入前に知っておきたい点もあります。

  • 音量を上げると、振動を感じることがあります
  • 騒がしい場所では聞き取りにくく感じる場合があります。
  • 装着位置がずれると、振動がうまく伝わりにくくなることがあります。

これらは骨伝導タイプの性質によるものです。メリットだけでなく、こうした点も理解したうえで検討すると、購入後のミスマッチを減らしやすくなります。

骨伝導と軟骨伝導の違い

「骨伝導」と似た言葉に「軟骨伝導」があります。名前は似ていますが、この2つは音の伝わり方が異なります。軟骨伝導は骨伝導の一種ではありません。

種類音の伝わり方のイメージ
骨伝導骨(頭蓋骨など)を通じて振動を内耳へ伝える。鼓膜や中耳を介さない
軟骨伝導耳の軟骨を振動させ、外耳道内に空気の振動を生み出し、鼓膜・中耳を介して内耳へ伝える

軟骨伝導は、2004年に日本で発見された比較的新しい伝導経路で、骨伝導とは異なる特徴を持つことが報告されています。

ここで注意したいのが、「軟骨伝導」という技術を使った機器には、いくつかの種類があるという点です。軟骨伝導を用いた「軟骨伝導補聴器」は、医療機関で扱われる医療機器(補聴器)です。一方で、窓口対応用やイヤホン用途などの音響機器もあります。そのため、「軟骨伝導」とうたう製品を検討するときは、それが医療機器なのか、音響機器なのかを確認することが大切です。補聴器の選択にあたっては、耳鼻咽喉科医など専門家の診断・指導を受けることがすすめられています(参考:日本耳鼻咽喉科頭頸部外科学会)。

骨伝導集音器を検討しやすい場面

「自分は骨伝導タイプを選んだほうがいいの?」と思われるかもしれません。これは聞こえ方や好みによって異なり、一律には決められませんが、ひとつの考え方として、骨伝導タイプは次のような場面で候補になりやすいといえます。

  • 耳あなをふさぎにくい形状を重視したい場合
  • 周囲の音を遮りにくい使い方を検討したい場面
  • 耳栓のように耳をふさがれる感覚が苦手な場合

ただし、聞こえにくさそのものが気になる場合は、まず耳鼻咽喉科などの専門機関に相談することをおすすめします。聞こえにくさの背景には、さまざまな原因が考えられるためです。

骨伝導集音器を検討する前に確認したいこと

骨伝導タイプにかぎらず、集音器を検討する前に知っておきたいことを整理します。

  • 聞こえにくさの原因を自己判断しない:背景にはさまざまな原因が考えられます。気になる場合は専門機関へ。
  • 場所によって聞こえ方が変わる:静かな場所と騒がしい場所では、感じ方が変わることがあります。
  • 周囲の音も大きくなる場合がある:集音器は、聞きたい音だけでなく周囲の音も一緒に大きくすることがあります。集音器の雑音が気になる理由については、別記事「集音器の雑音が気になるのはなぜ?」で解説しています。
  • 使用感には個人差がある:合う・合わないには個人差があります。
  • 家族が購入する場合は、本人の意向も確認する:使うのはご本人です。本人が納得して使えるかどうかも大切です。

ほかのタイプも知りたい方へ

集音器には、骨伝導以外にもさまざまなタイプがあります。耳あな型・耳かけ型・イヤホン型・首かけ型・ポケット型などがあり、それぞれ装着感や使い方が異なります。

たとえば「会話を聞き取りやすくしたい」という目的であれば、イヤホン型など耳に届けるタイプを検討する方もいます。集音器全体の種類については「集音器とは?仕組み・種類・補聴器との違いをやさしく解説」で整理していますので、あわせてご覧ください。

タイプごとの選び方は、別記事『集音器の選び方』でも整理しています。

よくある質問(FAQ)

Q. 骨伝導集音器は耳をふさがないのですか? 耳あなをふさぎにくい形状のものが多いタイプです。ただし、装着方法や使用感は製品によって異なります。

Q. 骨伝導集音器は補聴器の代わりになりますか? 骨伝導集音器は音響機器であり、医療機器である補聴器とは目的も位置づけも異なります。補聴器の代わりになるものではありません。

Q. 骨伝導と軟骨伝導は何が違いますか? 音の伝わり方が異なります。骨伝導は骨を通じて内耳へ伝え、軟骨伝導は耳の軟骨を振動させて外耳道内に空気の振動を生み、鼓膜・中耳を介して伝えます。軟骨伝導は骨伝導の一種ではありません。

Q. 骨伝導集音器は医療機器ですか? いいえ。集音器は音響機器(家電)に分類され、医療機器ではありません。一方、軟骨伝導補聴器などの「補聴器」は医療機器として扱われます。

Q. 聞こえにくさが気になる場合はどうすればいいですか? 聞こえにくさの背景にはさまざまな原因が考えられます。まずは耳鼻咽喉科などの専門機関で相談することをおすすめします。

まとめ

最後に、この記事のポイントを整理します。

  • 骨伝導集音器とは、骨を通して音を伝える音響機器で、耳あなをふさぎにくい形状のものが多い
  • 耳をふさがれる感覚が苦手な場合などに候補になりやすい一方、振動を感じる・騒がしい場所では聞き取りにくいといった点もある
  • 「軟骨伝導」は骨伝導とは別の伝わり方で、軟骨伝導補聴器は医療機器。製品が医療機器か音響機器かは購入前に確認を
  • 集音器は医療機器ではないため、聞こえにくさが気になる場合は、まず耳鼻咽喉科などの専門機関へ相談する

骨伝導タイプの特徴を知ることは、自分に合った集音器を考えるヒントになります。ほかのタイプとも見比べながら、納得して検討していきましょう。

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